2013年9月25日水曜日

結婚記念日

病院の待合室でウトウトしていた私の肩を叩く手に目を覚ますと主人の顔。
ビックリする私に主人が、
「そんな所でウトウトして風邪引くよ!電車が来たからさあ!行くよ。」
「何処へ?」
「何言ってるんだ!今日は、映画を見て美味しいフランス料理を食べる約束してただろう」
「映画?食事?」
不思議そうな私を心配そうに
「まだボケるには、早いぞ!」
と手を引き電車に乗る。
通勤ラッシュ前の車内は、ひっそりとしていて過ごしやすい陽気に
若い子たちの服装も軽やかでカラフルに揺れる。
あんな時期もあったのにと昔を振り返っていると、
主人が「今後は、ボウッとしてどうしたの?」と話しかけてきた。
「随分年をとってしまったな!と思ってたの」
「年をとっても君は、魅力的だよ」
主人は、いつでも私を褒めてくれる。
主人と一緒になって本当に幸せだと主人には、いつも感謝して止まない。
また、生まれ変わっても絶対主人と一緒になろうと思うくらい主人を愛していた。
揺れる電車にまた眠気を誘われた。
肩を叩かれ目を覚ますと看護師さんの顔。
「どうしました?」と問う看護師さんに
「何でもありません。」と告げた。
主人の夢に涙が零れそうになった。
今日は、主人との32 回目の結婚記念日の日だった。
帰り道を歩きながら空に向かってありがとうと呟いた。

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